幻氷の見え方、を考える(1)
先にひとつ宣伝。明日8月23日、道の駅しゃり、にて、一日限定で行われる「知床ザッカマルシェ」のシリエトクノートブースで、知床蜃気楼読本を販売してくださるそうです♪
本の内容はこちらをどうぞ→知床蜃気楼読本特設ページ!
さて、今、私が所属している日本蜃気楼協議会の某プロジェクトのために斜里の蜃気楼についてまとめているのですが、あらためて「幻氷」の定義について考えています。
googleで幻氷、を検索すると、最近、やっと知床博物館の「幻氷とは」のページが安定的に2位くらいに表示されるようになったものの、相変わらず1位に表示されるのが、この説明。
大辞林 第三版の解説
げんぴょう【幻氷】
流氷で冷却された空気の上に暖かい空気が流れ込んで起きる蜃気楼(しんきろう)。水平線の上に流氷が浮かび上がって見える。
引用:コトバンク https://kotobank.jp/word/%E5%B9%BB%E6%B0%B7-259052(2015/8/22時点)
まあ、いいんですよ。だいたいは。前半は上位蜃気楼の成因の説明ですよ。そこはあってます。
問題が、黄色くハイライトした「流氷が浮かび上がって見える」の部分なんだよな・・・
この説明が、下位蜃気楼の特徴的な説明になってしまっているのがよろしくない。
どういうことかというと。
はい、これが流氷の下位蜃気楼(空飛ぶ流氷)ですね。
↓は、博物館のHPにもUPしたイラストですが、下位蜃気楼と言うのは、空の虚像も下に映り込むので、空に「浮いている」ように見えるんですよ。
この見え方は、浮島現象、とも言われる下位蜃気楼の特徴的な見え方、なんです。
つまり・・・
この大辞林の説明文の中に、上位と下位の蜃気楼の説明が、混ざってしまっている、といえるのです。(成因と、見え方の特徴が合ってしていない)
もちろん大辞林が悪いわけじゃなくて、この40年くらいの間に、どっかでこうなっちゃったんですよね・・・。
ちなみに、現在私たちが、真の幻氷、として定義している春の流氷の上位蜃気楼、も「空に浮いている」ように見えるときがあるんです!実は。
だから混ざっちゃったんだよなー、たぶん。・・・
・・・どういうことか、説明しましょう。
まず、この記事の一番上に載せた2014.4.14の幻氷の写真、拡大しますね。
↑こういう「霜柱や、氷の壁のような」幻氷の場合、↓のような図を使って「上に伸び上がっているので上位蜃気楼!」と説明すると、大体納得してもらえると思うんだけど・・・
(2)へつづく・・・
0 コメント