蜃気楼のすべて!のすべて。
無事、4/21、発売になりました、日本蜃気楼協議会著、草思社「蜃気楼のすべて!」(気象ビジュアルブックシリーズ)です。
目次より |
目次にあるとおり、第二部「蜃気楼を見に行こう!」には堂々、斜里のページがあります。こちらの4ページ分の執筆を私、佐藤が担当。また、われら知床蜃気楼・幻氷研究会から、観測部長(@shiretokogenpyo)、ヤマさん(@favouritecolors)の写真が掲載されています。斜里の章以外にも、ページ丸ごと使用で、2枚、斜里の写真がどーんと出ていますので、お見逃し無く。
草思社ブログ:妖気を吐いて楼台の幻を生む謎の生物とは?――『蜃気楼のすべて!』
斜里の章では、これまでほとんど誰も公に言及してこなかった、幻氷と流氷の下位蜃気楼の関係性をじっくり紹介しています。ほんとうは、斜里のことだけ書いても良かったのかもしれません。でも、幻氷の話抜きには、斜里の、そして日本の蜃気楼を語ることはできません。というほど重要なテーマです。
ぺいぺいの私(予報士としても、執筆者としても、オホーツク海側の住人としても)が、半世紀は歴史があろうかという、網走地方の風物について大手出版社から発行される本に執筆するのは、かなりの重圧ではありましたが、思い切ってやらせていただきました。(失うものの無い私だからできたのかもしれません・・・)
出版には特段の興味を持たずに生きてきた私が、このような場に関わることができたのも、これまでご指導くださった日本蜃気楼協議会の諸先輩方、斜里でご協力くださっている会のメンバー、応援してくださる方。そして今まで蜃気楼に興味を持って、色々な形で歴史を紡いできてくださった先人の皆様のお陰です。斜里にきてからの出会いのすべてに感謝しています。本当にありがとうございます。
ちなみに・・・昨年の「知床蜃気楼読本」につづいて、二回目に味わった感覚。
それまでずっとpdfなど電子媒体で眺めていた原稿が、ある日突然、世界に形を現すのです、出版って。
ん?3Dプリンタ?でやったの?って、変な感覚です。具現化、とはまさにこのことなんですね。
素人ならでは、なのかもしれませんが。
この驚きへの道のはじまりは、昨年5月の魚津。
日本蜃気楼協議会の総会でした。
はじめてお目にかかる、全国から集まったメンバーのみなさん。かなり緊張して挙動不審だった私をあたたかく(むしろ情熱的に!)迎えてくださった同好の先輩たち。
魚津埋没林博物館から僧ヶ岳 |
「ごめん、時間無くてまだ言ってない!」
な、っ、な、っ、なんなんですかー?!何かに私巻き込まれてる???
で、配られたプリント・・・・
それが、「蜃気楼のすべて(仮)」の出版案でした。
うっ、私の名前もはいってるじゃん。みたいな・・・・(汗)
それから怒涛のような?スケジュールで写真を選び、本文を書き。
会長のスーパーご尽力で全員の原稿がまとまったのが、忘れもしない10月のこと。
夕日を浴びながら、図書館の窓辺で草稿を読んで感激した日のことは忘れられません。
こうやって、本って出来ていくのですね。と勉強させていただいた一年でした。
執筆者の一名として、私も末席に名を連ねさせてはいただきましたが、一番ご尽力された会長や、沢山の原稿を受け持たれたみなさんのご努力とは比べ物になりません。
全体構想を含めて、長年、日本蜃気楼協議会を支えてこられた方々の叡智が詰まった本です。
(ほとんど8割がた、私が知っているレベルの情報は全部出し尽くされた感すらあるので、ココから追いつかれないよう、更に精進しなければ、という危機感さえあります・・・)
最後になりましたが、できるだけ関係市町村の教育機関に本を寄贈させていただこうという会の方針です。斜里の学校図書館や公共施設でもご覧いただけますので、今しばらくお待ちください。
そうだ、もう一点。
目次をご覧ください。この中では、現在大地震に見舞われている熊本地方(含む九州地方全体)の「不知火」現象が紹介されています。
今はそれどころじゃないと思いますが、落ち着いたら是非、熊本のみなさんにもご覧いただき、蜃気楼の浪漫が力になる日が来ると信じて祈っています。
不知火については、こちらの記事もごらんください。(→九州タグへ)
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